英語が救ってくれた人生
長いひきこもり生活
すでにお伝えしたように、僕には引きこもっていた時期があります。それも数年間という長い期間、ただひたすらゲームをするという毎日を過ごしていました。
大学受験の反動で、燃え尽き症候群のような状態になってしまった、ということもあるのですが、
本当のところは、「自分が本当にやりたいことがわからなかった」ためです。自分の人生をかけて何がやりたいかが。
そういう面倒な、簡単には答えの出ない問いは後回しにして、自分の選択肢を増やすこと(つまりいい大学に入ること)ばかりやっていた、
でもそれに疲れてしまったのです。
さらに言えば、中高はそれぞれ3年、大学は4年(自分は7年もいましたが)、のように区切りがありますが、
仕事はそうではありませんよね。特に自分が大学生だった頃は、終身雇用制もまだまだ健在で、転職もそこまで当たり前ではない時代で、
一度就職したら、そこで一生勤め上げるのが普通
それなのに、自分のやりたいことがわからない状態で、一生の仕事なんて選べない、
それでどうしていいかわからず、ゲームの世界に逃げ込んだ、というのが本当のところで。
レールから外れた人生
もちろんそこから抜け出さなければ、という思いは常にあって、沢山本を読んだりなどして、「自分が何をやりたいか」を見つけようとしますが、行動が伴わないので見つかるわけもなく、
気づけばまたゲームで徹夜をする、という日々に逆戻り。
大学に入るまではなんとか「レール」に沿って生きてきたわけですが、大学に7年行ったことでそのレールからは完全に外れてしまった、
そして一度レールから外れると、元に戻るのは難しい、のが日本の社会ですよね。
それでどんどん社会に出るハードルは(自分にとって)高くなっていった。
ですがお話したように、父親の定年で家を出ざるを得ず(これは今から考えると本当にラッキーでした)、なんとか職を見つけて生きてきたわけです。
でも、やっぱりどこかで、自分はレールから外れた人間である、という自覚はずっとあって、「こうあるべき」という世間の当たり前に自分を合わせられない、そのことで息苦しさを感じ続けていました。
人生を変えた経験
それから年月が経ち、いろいろあって英語をやり直すことを決め、それに向き合った。
そして37歳の時に、TEFL(Teaching English as a Foreign Language)という資格の勉強のためにカナダのバンクーバーを訪れます。
自分が通ったのは Community College という、いわば職業訓練校みたいなところで、TEFLやTESOLなどの英語教授法の資格の他にもさまざまな職業に関して、そのキャリアアップのための授業を提供していました。
プログラミング、料理、大工、ヘアスタイリスト、本当にありとあらゆる職業をカバーしているのです。
で、なんの気無しにあるクラスの様子を窓から覗いた、その光景に衝撃を受けます。
そのクラスでは、10代と思える若い子たちと恐らく4〜50代であろう白髪まじりの人たちが、机を並べて一緒に勉強をしていたのです。
こんなこと日本じゃあり得ませんよね。
日本で学校に通うのは10代から20代まで。卒業してからは学校なんて縁がないもの
でもそこでは違っていて、いくつになっても、それが自分に必要だと思ったら、学校に行って学ぶ、というのが当たり前だったのです。
もちろん「生涯学習」という言葉は日本にもありますが、どこか実態が伴わないお題目のような印象があります
一方カナダでは「生涯学習」が社会にちゃんと根付いている。
僕はこのことを知って感動しました。
「常識」が壊れた瞬間
そしてそれと同時に、今まで自分をとらえていたものが、「狭い考え」だったことに気づいたのです。
勉強は大学まで、22歳で卒業したら就職して一つの会社に勤め上げる
自分が絶対だと思っていた「レール」、それを外れたら生きていけないとまで思っていたものは、実際は日本でしか通用しないローカルルールでしかなく、
人間はもっといろんな生き方をしていいんだと、そこで初めて思えた。
20代でやりたいことがわからなくたって、新しいことを学びたい、という気持ちさえあれば、人間はいくつからだってやり直せるんだ
こんな自分でも生きてていんだ、と37歳にして心から思えた。
旅での学び
そして後にヨーロッパを旅した時、「もう1年ぐらい旅している」という30代、40代の人によく会うことに驚きました。
仕事はどうしているの?と聞くと、「今はしていない」と当たり前のように言います。
キャリアの途中でしばらくお休みを取って、人生の次のステージへの準備をしているんだと
そこではたくさんの本を読んだり、ボランティアに従事したり、あるいは世界を旅したりして、自分がやりたいことを見つける。
ヨーロッパの多くの国で、そういうライフスタイルが当たり前のものとして受け入れられている。
人生の中で、やりたいことを見つけるには当然そういう時期も必要でしょうと。
日本でそうやって長い離職期間を作ると、再就職が大変になる、という問題がありますよね。
でもそれが社会として受け入れられる土壌があるんです。
自分を許せた瞬間
そうなんですよね。10代で本当にやりたいことが見つかっていることの方がむしろ稀で、それは人生でいろんな経験を積みながら少しずつわかっていくもの。
20代で見つかる人もいれば、30、40代で見つかる人もいる。
これらの考えに出会うことで、ようやく自分を許すことができた。
これも海外に出て、日本を客観的に見る経験を持てたからこそです。日本にいる間は、「日本の常識」が、自分の世界のすべてでしたから。
だからそのルールに沿って生きられない自分は人間失格だ、とさえ思っていました。
もしこれらのことを20代のうちに知っておけば、ああやって引きこもることもなかったでしょう。
まぁあの頃は英語力がなかったので、たとえ海外に行っても単なる観光旅行で、表面だけなぞって終わりだったでしょうが。
そう、だから英語は必要なのです。海外でいろんな人と深く会話することで、日本との違いがよりハッキリする。
それによって、自分がそれまで当たり前だと思っていたことが、実は他の国では当たり前ではない、ということを知る。自分がとらわれていた「常識」がぶち壊される経験。
僕は日本は素晴らしい国だと思いますが、「こうあるべき」という空気・強制力が強い国だとも思います。
それが自分にはとてもつらかった、その「こうあるべき」に合わせられない自分が。
あの頃の自分と同じように、日本で生きることに息苦しさを感じている人は、ぜひ海外に出て外から日本を見る機会を持っていただきたい、
いろんな生き方があっていい、ということが骨身に染みてわかりますから。
この経験があるため、僕は自分の人生は本当の意味で、英語に救われた、と心から思うのです。
そしてこうして英語が使えるようになったのも、最初の3ヶ月のあの本気の勉強がきっかけです。
たった数ヶ月の本気の勉強で人生は変えられる、ということ。決して大げさではないですよね。
こうやって英語で人生を変える人を増やしたい。これが自分の原動力です。
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